サンゴ同士を接触させてはいけませんがハードチューブは問題ありません
どうも海水アクアリウム初心者の千日です。小型水槽でサンゴを飼育する人の悩みの一つがサンゴのレイアウトです。ハードチューブのレイアウトのセオリーはサンゴのそれと大きく違います。
そのサンゴとのセオリーの相違が、小型水槽でオススメしたいゆえんなのです。
魚と違ってサンゴは動かないですが、接触するとお互いの毒で攻撃し合うのです。サンゴの毒も強弱があり、弱いサンゴは負けて接触した部分から溶けていきます。
また、サンゴの中にはスイーパー触手という、他のサンゴを攻撃する触手を伸ばし、溶かして食べてしまう種もいます。
異種サンゴを飼育する場合、サンゴとサンゴの間を十分に空けないといけません。
- 小型水槽では十分な間隔を取るスペースが無い
- だからと言って同種のサンゴばかり並べるのでは、商品の陳列みたいで水景に変化に乏しく面白みが無い
そこでオススメなのが、ハードチューブなどのケヤリムシをレイアウトに組み込むことなんです。
コエダナガレハナサンゴに接触させてレイアウトしたハードチューブ(ケヤリムシの仲間)
- 花びらの様な鰓冠がレイアウトのアクセントになる
- 管の部分はカルシウムで出来ているのでサンゴに接触しても問題なし
- ハードチューブが攻撃することも無いのでサンゴにも問題なし
写真のレイアウトは、緑色のコエダナガレハナサンゴの間からニョッキリと突き出す様にハードチューブをレイアウトしてます。
コエダナガレハナサンゴの毒性は最強クラスであり、さらにスイーパー触手を伸ばして他のサンゴを食べてしまいます。
コエダナガレハナサンゴにこんなに近接して別の種類のサンゴをレイアウトすることは出来ません。
こんなレイアウトが可能なのは、以下の理由によります。
- ハードチューブの管がカルシウムで出来ていて、サンゴと接触しても中のゴカイに影響ないこと
- 万が一、コエダナガレハナサンゴがスイーパー触手を伸ばしても、ハードチューブが鰓冠を引っ込めてしまえば食べられることはないこと
二つ目のコエダナガレハナサンゴがハードチューブを攻撃する可能性は「万が一」です。サンゴがサンゴ以外を攻撃対象にすることはありません。
全体写真
このように、水中花の一輪挿しのような面白いレイアウトが実現します。
小型水槽でのレイアウトの自由度
小型水槽ではサンゴ同士を接触させないようにするために結構、気を使います。
千日のブログでは小型水槽で異種のサンゴを飼育するために
- 高低差
- 水流によるバリア
これらを総動員させて、異種サンゴの近接レイアウトを実現させてます。その点ハードチューブは異種過ぎるので、接触のリスクから完全に自由なんですよね。
制約の多い小型水槽でのレイアウトの中にあって、とても自由度の高い生体だと思います。
ハードチューブに適した水流と角度
千日はハードチューブを導入してから3回場所を変えました。一度落ち着くと、ほぼずっと鰓冠を出してくれます。
管に水流が流れ込むような角度
餌の匂いが中のゴカイ本体に届くように管に水流が流れ込むような角度が適応します。水流の刺激が無いとなかなか鰓冠を出そうとしません。
水槽用クーラーの冷たい水が直に当たるのはNG
ほとんどの人が水槽用クーラーを設置していると思います。管に水流が流れ込むようにといっても、水槽用クーラーの冷水が直線流れ込むと逆効果です。
温度差にビックリしてその都度、鰓冠を引っ込めてしまいます。やがて鰓冠を出さなくなります。
人影や魚影にも敏感なので管は上向きに
人影や魚影を感じてストレスになることもあります。
人影対策としては、管を上向きにすること。
魚影対策としては、魚の住処の近くに置かない、エサを投入する場所には置かないなどの対策が必要です。
ハードチューブが出てこない…
大体上記3つのどれかに問題がある場合が多いです。ハードチューブは一度環境に慣れてしまえば丈夫ですし、とてもキレイな鰓冠を見せてくれますよ。
是非チャレンジしてみて下さいね!