千日太郎のアクアライフ

千日太郎が海水アクアリウムの始め方、海水魚とサンゴの上手な飼育法を初心者向けに分かりやすく解説します

海水アクアリウムの海藻は一気に枯れるので注意

海藻が溶けるのは僅か1日

どうも千日です。我が家の海水水槽の左半分は海藻が繁茂してます。元はライブロックにチョロチョロとくっ付いて来たヤツなんですけど、もうこんなに増えました。

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下は約半年前の写真です。

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全然違いますよね。サンゴの調子も半年前の方が明らかに良いです。最近はサンゴの調子も低空飛行で安定です(汗)

調子の悪いサンゴはハードコーラルLPSのタコアシサンゴです。ソフトコーラルのカタトサカは元気ですね。そして海藻は凄い勢い。

推定される事実としては、ズバリ水が汚れている。特にリン酸濃度がサンゴの許容範囲を超えていることが原因でしょうね。

サンゴの生育条件

  • 清浄な水
  • 太陽の光が届く浅い海

太平洋に浮かぶ小さな島の周りにサンゴ礁が多い理由は、この2つの条件を備えているためです。

これが大きな島になると途端に難しくなります。川から海に流れ込むゴミや島民の生活廃水によって、浅い所の水が汚れて、それを養分とする海藻が席巻してサンゴが増える事が出来ません。

沖に行けば水が綺麗になるんですけど、今度は水深が深くなって、サンゴが光合成するための太陽の光が届かなくなってしまいます。

サンゴが生きられる条件の揃ったサンゴ礁は広い海洋の0.1%にも満たない奇跡のような環境なんですね。

 

アクアリウムの海藻とサンゴの共生

ですから自然のサンゴ礁には海藻が少ないんですけど、人工的に環境を整えるアクアリウムでは千日の水槽のような水景もアリなんですね。

千日の水槽ではカリビアンシーホースというタツノオトシゴを飼育してます。コイツは乾燥餌を食べません。

毎日、冷凍のホワイトシュリンプ(イサザアミ)を解凍しては与えています。こういう生の餌は水を汚しやすいんですよ。

出来るだけ食べ残しの無いように与えていたんですけど、タツノオトシゴを長生きさせるには、1日1回ではなく、複数回餌を与える必要があるらしく、毎日2〜3回給餌してたんです。

そしたらこうなってしまったんですね。まるで水草水槽みたいです。YouTubeで動画も公開してます。

海藻はサンゴに有害なリン酸を吸収してくれます。これだけ海藻が伸びるということは、リン酸が豊富であり海藻が居なければサンゴは壊滅している可能性もあるんです。

一見、海藻だけが伸び放題に伸びているように見えますけど、絶妙にバランスを取っている状態なんです。また、残餌を処理してくれるゴカイやヨコエビの隠れ家にもなります。

そしてヨコエビはタツノオトシゴの餌にもなります。

目障りだからって全部引っこ抜いてしまうと、辛うじて保っているバランスが崩れ、水槽が一気に崩壊してしまう危険があるんですね。

とにかくアクアリウムで「大掃除」なんてやってはいけませんよ。

 

前触れなく一気に溶ける海藻のリスク

じゃあ海藻は多い方が良いかというと、どっこいそうは行かないんです。

地上の植物や淡水の水草と違い、海藻は前触れなく一気に枯れて飼育水に溶けだすというリスクがあるんです。

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上の写真のタツノオトシゴの奥の一帯が白っぽくなっています。正に海藻が枯れて溶けている所です。元の色はタツノオトシゴの頭の向こうに見える緑色の海藻なんです。

枯れた海藻はぼんやり白っぽくなりモヤのような感じで溶けていきます。小型の水槽だと飼育水全体がぼんやり白濁するほどです。

枯れた海藻はリン酸とバクテリアでも分解出来ない繊維質を多く含んでいます。

つまり、リン酸を吸収してバランスを保ってくれていた海藻が一気に枯れて溶けると、逆にバランスを崩壊させるトリガーにもなりうるという事ですね。

ですから、海藻は伸びて来たら、完全に綺麗に取り除くのもダメですし、伸び放題に増やすのもリスクがあるんですよ。

程々に間引きしながら、徐々に水質を改善させて行くのが正解だと思います。

 

枯れた海藻はすぐに取り出しましょう

枯れた所をごっそり取り除くとポッカリと穴が空いたようになりました。そしてすぐに3分の1の水換えを行いました。

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もしもコレが旅行中などに起きたら…と思うとゾッとしますね。 

 

まとめ

どうやら千日の水槽は、海藻によるリン酸の吸収も限界に来ているようです。

最近は、タツノオトシゴ(カリビアンシーホース)への給餌を抑え気味にしていますがそれでも海藻の勢いは止まるどころか加速度を増しています。

タツノオトシゴにはヨコエビを探して食べて貰うことにし、給餌は2日に1回に減らし、様子を見てみようと思います。

以上、千日のブログでした。