タツノオトシゴは冷凍餌か生餌しか食べない
どうも千日です。千日が飼育しているカリビアンシーホースをはじめとするタツノオトシゴは乾燥餌を食べません。
一説には、彼らは主に視覚によって餌を判別しているが為に嗅覚に訴求するような粒状、フレーク状の餌は餌と認識しないからだとも言われてます。
従って彼らが自然環境下で主食にしている生きたアミエビか冷凍のアミエビ(冷凍ホワイトシュリンプ)を与えます。
しかしこれらの生餌の宿命として以下の欠点があります。
- 比較的高価
- 保存出来る期間は乾燥餌より短い
- 残った餌が水を汚す
タツにはこまめな給餌が必要
加えて、タツノオトシゴの消化器は海水魚よりも発達してませんので、常に少しずつ餌を食べ続ける必要があります。
普通の海水魚なら1日に1回餌を与えれば充分過ぎる程充分なんですけど、同じ感覚でタツノオトシゴを飼育していると長生きさせられません。
- 1日に複数回、食べる量だけ餌を与える
これがポイントです。
コンスタントに餌を与える為に、餌となるアミエビを確保出来て、尚且つ水を汚しやすいこれらの餌を日に複数回、毎日与え続ける必要があります。
ですので、タツノオトシゴを飼育する場合は以下の2つのポイントが重要になってきます。
- 生餌又は冷凍餌の確保が出来るか
- 飼育水を清浄に保てるか
生きたアミエビのリスクと冷凍アミエビのメリット
何と言っても生きたアミエビが一番です。これを食べないような個体は自然環境でも生きられませんからね。
しかし、生きたアミエビは高価ですし、常に充分な量を入手出来るとは限りませんよね。その点冷凍アミエビ(冷凍ホワイトシュリンプ)なら冷凍庫で保管出来ます。
一般的な相場としては冷凍ホワイトシュリンプは1シート32個のキューブで600円前後、1日20円程です。
上の写真は解凍したホワイトシュリンプです。 キューブ状のブロックに飼育水を加えて解凍します。ほのかにエビの香がしますよ。
飼育水で解凍する理由は手近な常温の水ということもありますが、海と同じ濃度であることから浸透圧でアミエビの持つ栄養素が水分とともに溶けだしてしまわないようにする意味もあります。
解凍してからは容器を密閉して冷蔵庫に保管し、24時間以上経過したら廃棄してます。
生きたアミエビの病原菌リスク
それだけじゃありません。
生きたアミエビを外から水槽に入れる=その数だけ病気を水槽に持ち込むリスクが上がる
ということでもあるんです。
それが毎日です。
大型、小型に限らず、水槽は閉じた世界です。
普通の感覚で行けば、いつか必ず病気が持ち込まれ、いつか飼育している生体が病気になることは避けられないでしょう。
冷凍アミエビの安全性
その点、冷凍されたアミエビならば、多くの菌は死滅していますし、生命力の強い菌でも休眠状態にあります。
解凍してすぐに与える分には病原菌のリスクは極めて低く抑えられます。
ですので、出来るだけ冷凍のアミエビに餌付いている個体を購入する事をお勧めします。
餌付いてない場合は1日も早く冷凍アミエビに移行させるように根気よく餌付けを続ける事が大事ですね。
与えた冷凍餌を全部食べさせたい
前にも書きましたけど、とにかく食べ残しの冷凍餌は水を汚します。それだけ水換えを頻繁にするのは骨が折れますよね。
なので、出来るだけタツノオトシゴに与えた餌を全部食べてもらう事が少なくとも求められる事です。
与えた餌が彼らの栄養になって糞になって水換えするなら、まだ納得出来ますけど、食べられずに腐ってしまった為に水換えするのは、精神的にも徒労感が拭えませんよね。
タツノオトシゴは餌を獲るのが遅い
でもね、カリビアンシーホースをはじめとするタツノオトシゴの餌食いについてはスローイーターで、超絶食事が遅いんです。
- 餌の発見が遅い
- 追いかける動きが遅い
- 見てるだけですぐには食べない
…こんな3重苦を背負った超奥手なんですよ。
据え膳食わぬは何とやら
なんて言葉は彼らの辞書にはありません。
こちらは、我が家に来たばかりの時にカリビアンシーホースにホワイトシュリンプを与えた時の動画です。
水槽の中を白く舞っているのが冷凍ホワイトシュリンプです。近くを通った餌だけをゆっくり追いかけてパクッと食べる様子です。
4分の動画で3口位しか食べてません。
ライバルが居なくても、与えた餌の1割も口に出来ない。
それが彼らタツノオトシゴなんですよ。残り9割の発見されなかった餌、追いつけなかった餌は、フィルターに吸い込まれて腐敗し、飼育水の汚れになります。
餌場を作る
そこで千日は、水流に流れていく餌に追い付けないのが原因ですから、餌が固定されて動かなければいいはずだと考えました。
餌のホワイトシュリンプを海藻に絡みつかせるんですよ。つまり餌場です。
- 海藻に絡み付けておけば、フィルターに吸い込まれることはない。
- タツノオトシゴは視覚で餌を認識するので、ずっとそこにあれば、いつか必ず発見して食べる。
餌場の作り方と最適な位置
餌場はこんな感じです。海藻の狭間にちょろっと見える白いのがホワイトシュリンプです。
写真ではちょっと分かりにくいと思うので作り方を動画に撮りました。
スポイトに吸い込んだ冷凍ホワイトシュリンプをちょっとずつ海藻が繁茂した場所に落として行くんです。
場所はちょうど水槽の中央辺りです。
- 水流が直接当たらず、かつ、ガラス面に反射した水流も一番弱まる場所
水流が強いとせっかく絡ませたホワイトシュリンプが流れて行ってしまいます。遊泳能力の低いタツノオトシゴが落ち着けるような水流の弱い場所が餌場としては最適なんですね。
千日の水槽では、たまたまそういった場所に海藻が繁茂していて、恰好の餌場となっているんです。ゆっくり観察するにもベストです。
どんな感じで餌を食べるかをYouTubeにアップしました。
食べる瞬間だけ速いんですが、悠長ですよね(^_^)aしかしこの方法なら、少々時間がかかろうとも、与えたすべての餌を食べさせる事が出来ます。
今もまだ少しずつ体色が変化していて、白っぽいと思ってたお腹の辺りが黄みがかってきました!目が離せません。
海水魚との混泳には向きません
動画をご覧になれば、なんとなくお分かり頂けると思うんですが、タツノオトシゴを普通の海水魚と一緒に飼育すると、タツノオトシゴに一切餌が回らなくなりますね。
いくら大人しくて臆病な魚でも、タツノオトシゴに比べたら充分にはしこいです。
今回ご紹介した餌場は普通の海水魚に荒らされてしまうと思います。