千日太郎のアクアライフ

千日太郎が海水アクアリウムの始め方、海水魚とサンゴの上手な飼育法を初心者向けに分かりやすく解説します

イエローヘッドジョーフィッシュは口腐れ病と断定しました(画像と動画)

海水魚の口腐れ病の経過

どうも千日です。巣に引きこもって出てこなくなっていた我が家のイエローヘッドジョーフィッシュですが、昨日の夜あたりから出て来るようになりました。
 
それ自体は良い事なんですけど、明るい所に出て来るようになった事で、その病状がつぶさに分かるようになり、今回一連の餌食いの悪さと引きこもりは口腐れ病が原因であると断定するに至りました。
 
健康な頃の頭部の画像
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病気と断定した現在の画像
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同じ個体とは思えない程に変わり果てた姿になってしまいました。背びれも溶けて一部に穴が空いてしまっています。
 
そのYouTube動画です
餌を探しているんですけど、要領を得ない動きです。また、底砂に頭部を擦り付けるような行動も見られるようになりました。
 
病気の海水魚に特有の行動です。
 

視覚にも異常あり

巣から出てこなくなったのは恐らく視覚に異常があるためだと思われます。危険を察知する能力と、逃げ込む巣の入り口を把握し辛くなったのが原因ではないでしょうか。
 
最近になって出て来るようになった要因は2つ考えられます。きっかけは先日導入したタツノオトシゴのカリビアンシーホースです。
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  • カリビアンシーホースに与える冷凍ホワイトシュリンプの匂いに釣られた。
  • カリビアンシーホースが居る事で安全を確認した。

 

 
カリビアンシーホースには冷凍ホワイトシュリンプを与えています、コレをたべない海水魚は居ない程のご馳走です。しかし水を汚すのであまり頻繁に与えることはしません。
 
カリビアンシーホースは幼魚のため、ほぼ毎日ホワイトシュリンプを与えているので、これに釣られて出て来るようになったんですね。
 
普通ならカリビアンシーホースに回らない程食べ尽くしてしまうのです。しかし視覚に異常があるためか、少ししか捉えることが出来ず、ちゃんとカリビアンシーホースに餌が回るという皮肉な状態です。
 
 

海水魚の口腐れ病=滑走細菌

口腐れ病は滑走細菌症菌の一種が口唇部に寄生して起こる病気です。尾びれにも寄生することがあり、その場合には尾腐れ病と呼ばれます。
 
この滑走細菌の発育は海水温30度、pH7が最適で、淡水魚がかかるカラムナリス病菌などとは違うものだと分類されています。
 
この細菌はタンパク質を分解しデンプンなどの多糖類を分解せず、細菌を溶解する作用(溶菌)があります。つまり、寄生した海水魚のタンパク質を溶かしてしまう恐ろしい病原菌なんです。
 
症状は稚魚では口唇部、尾びれなど寄生した場所に糜爛(びらん)や壊死(えし)又は崩壊などが起こり、幼魚や成魚ではエラや身体に発赤や潰瘍が見られるそうです。
 
ウチのジョーフィッシュはまさにこの症状に当てはまりますね。頭部の全体と背びれを中心に症状が見られます。視覚に異常があることから目や脳にも進行していることが推測できます。
 

病状の進行と画像

病気の疑いを感じてから今日で約4か月半です。その当時のブログの記事と画像で振り返ってみたいと思います。
 

餌食いが悪くなった2016年1月21日

まず餌食いが悪くなり、餌を取りそびれることが多くなってきました。
この時はまだ巣の外で餌を探す行動を取っていました。また良く注意して見れば口唇部に異常がある事に気付いたかもしれませんが、それに気づけませんでした。
 
当時撮影した写真です。
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口唇部の異常に気付いた2016年3月7日

はじめに異常を感じたのは2016年3月の上旬でした。その時のエントリーです。
巣に引きこもりがちになり、顎の片方が明らかに不自然に下がっています。
 
その時に撮影した写真です。
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ピンセットで餌を与える2016年3月18日〜

引きこもりがちですが、餌を目の前まで持っていくと食べますので、水槽内のカニなどの外敵かライブロックに挟まれるなどの事故の可能性も考えました。
食欲自体は旺盛でしたので、病気ではない説も捨てがたかったんですよね。
 
この頃からピンセットで巣の前5センチ位の所に餌をユラユラさせて給餌していました。
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そしてこれを続けていくうちにだんだんとピンセットの餌に対する反応も鈍くなっていったんです。
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ピンセットで餌を与えるのも楽しい、などとうそぶいていましたが、なかなか好転しない事実から目を背けていたのかもしれません。
 
猛省しなければいけません。
 
 

完全に出てこなくなってきた2016年5月25日

そしてとうとう姿を見せることが無くなりました。
恐らくこの間にも病気は進行していたんですけど、千日が水槽の近くに行くと引っ込んでしまうので、分からなかったんですね。
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そして現在2016年6月5日

出て来るようになった経緯は先に書いた通りですが、これによって病気の進行が明らかになりました。
 
また、ホワイトシュリンプには反応しますが、ピンセットの餌(クリル)には反応しなくなりました。
 
いつも日中の消灯中は巣に引っ込んでいるんですが今日は珍しく顔を出していましたので自然光下での患部の撮影に成功しました。
 
LEDの光線で飛んでしまった赤みや黒ずみが良くわかって、深刻な病状がお分かり頂けると思います。
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眠っているのかもしれませんが、目にも力が無いです。昼間もたまに出て来ては、迷いながら巣に戻るのを繰り返しています。
 
 

見守るしかない

見た感じでは治癒する段階を超えてしまったようにも思います。こうして写真を見返してみると、4月辺りまでは、ちゃんと見えないとはいえ、そこまで進行は速くなかったように思います。

急激に進行したのは5月の後半辺りからでしょうか。

今出て来て活動しているのは、最後の力を振り絞っているのかもしれません。
 
これからどうするか…薬浴の為に捕まえるのもしのびない感じです。可能性は低いですが、以下の方法を試してみます。
 
  • 週一の水換え
  • ホワイトシュリンプを1日一回スポイトで与える

以上、千日のブログでした。