小型水槽のプロテインスキマー
どうも海水アクアリウム初心者の千日です。プロテインスキマーは、現在カミハタの海道河童(大)を使ってるんです。しかし最近、レッドシーのプリズムスキマーに変えてみようか、などと思い始めているんですよね。
千日の水槽の海道河童(大)
千日のように外部濾過方式の小型水槽で海水アクアリウムをやっている人なら、この2つを知らない人はいないでしょう。
小型海水水槽のプロスキ(プロテインスキマー)の二大巨頭です。
- 小型水槽のプロテインスキマー
プロテインスキマーの2つの働きとは
プロテインスキマーとは飼育水に微細な泡を発生させて、バクテリアによって分解される前のタンパク質の汚れを浮き上がらせ、濾し取る器具です。
海水水槽ではプロテインスキマーがほぼmustと言われる理由は2つあります。
- 海水は酸素が溶け込みにくい
- 酸素が溶けにくいので濾過バクテリアも増えにくい
真水と比べて海水は酸素が溶けにくいと言われています。塩分がある分だけ同じ重さで水が少ないからだそうです。
そして酸素が少ないということは、海水中で生存できる好気性の濾過バクテリアの数も少なくなるということです。
プロテインスキマーは濾過バクテリアが分解する前段階のタンパク質の状態で汚れを濾し取るので少ない濾過バクテリアを補う事ができます。
また、小さなタンパク質の汚れを細かな泡を大量に発生させてお鍋のアクを浮き上がらせる要領で濾し取るので、飼育水と空気が接する表面積が広くなります。
溶けにくいので少しでもこうして酸素を溶けやすくしているんですね。
オーバーフロー水槽なら下にもう1つ空気に触れる濾過層がありますし、飼育水が上から下に流れ落ちる過程でも空気に触れているので酸欠の恐れは無いんです。
しかし、密閉式の外部濾過装置だと空気に触れるのは本水槽の表面だけです。プロテインスキマーが無いと魚が酸欠になる可能性があります。
そういう意味で、プロテインスキマーは汚れを濾し取る以前に魚を酸欠から守る機能もあるんですよね。
小型水槽では水中ポンプの代わりという3つ目の働きがある
また、 外掛け式のプロテインスキマーの排水による水流は、小型水槽では水流発生装置としても活躍します。
小型水槽で水中ポンプを設置するとかなり場所を取ってしまいますし、その水中ポンプの水流が直接当たる場所にはサンゴをレイアウト出来ません。
外掛けのプロテインスキマーなら上部からの平面な流れを作ってくれますし、本体のモーターは外ですから邪魔にならず、まさに小型水槽には打って付けの水流発生装置ですね。
千日のブログでは、プロテインスキマー海道河童の水流を利用したサンゴに適した水流の作り方もご紹介してますので、興味のある方は合わせて読んでみて下さいね。
エアリフト式とベンチュリー式
そしてプロテインスキマーにはこの微細な泡を発生させる方式で2つのタイプに分かれます。
- エアリフト式は木製のエアストーンで細かな泡を発生させて汚れを上昇させます。
- ベンチュリー式はモーターのインペラで空気と水をかき混ぜて細かな泡を発生させて汚れを上昇させます。
エアリフト式の海道河童のメリットとデメリット
メリット
-
安くて高性能
-
設置と調節が超簡単
- 静かでほぼ無音
1.性能と価格のバランスはピカイチ
4千円から5千円で買えます。それ以外のプロテインスキマーは1万円以上して能力がイマイチか、安くても能力がイマイチかのどっちかです。
60cm以下の小型水槽で、お金をかけずに海水アクアリウムを始めたいなら、海道河童です。それ以外では自作している人もいます。
2.設置が簡単で調節も不要です
海道河童に限らず、エアリフト式に共通なんですが、水槽に引っ掛けるだけです。ベンチュリー式のプロテインスキマーは、エアとポンプの微妙な調節をしないと、微細な泡が本水槽内に流れ込んでしまいます。
エアリフト式なら筒の中にエアストーンがあり、泡はまっすぐ上に昇っていきますので、泡が本水槽に流れ込むということはありません。
ポンプの流量を調節するツマミがありますので、流れを早くすれば、筒を通過する水の量が増えて能力が上がります。
それと、前に述べたサンゴの為の水流を調節するのにも重宝しています。ベンチュリー式だと、泡戻りを防ぐ為の調節になりますから、サンゴ向けの調節は出来ませんね。
3.音が静かです
ほぼ無音です。プリズムスキマーは音がうるさいことで有名ですが、海道河童はほぼ無音です。付属のエアレーションからわずかに『ヴ-ン』という音がするので千日は『水心』を別途購入して使っています。
これは本当に音がしません。『プロテインスキマーの筒の中の泡を確認しないと作動しているかどうか分からない』という短所?があります。
デメリット
- エアストーンを定期的に交換する必要がある(ランニングコスト)
- 性能はベンチュリー式に劣る
1.ウッドストーンは1個4百円で3カ月に1回交換
エアを発生させる専用のウッドストーンがあります。これが1個4百円位します。これを交換しないと泡の出が悪くなって性能が落ちてしまいます。交換の目安は3カ月から半年に1回ということらしいです。
2.性能に上限がある
これは海道河童に限らずエアリフト式に共通のことなんですが、ベンチュリー式と比べて性能が劣るんです。
エアリフト式は、ウッドストーンから発生する微細な泡が汚れを付着させると同時に空気が接する表面積を増やすんですが、エアリフトという言葉どおり、発生した泡は一直線に水面に上がっていきます。
- 泡が発生してから水面までの直線的な距離しか汚れを取る範囲がない。
- 泡が発生してから水面までの短い時間しか酸素を溶け込ませる時間がない。
こういうことです。
ベンチュリー式は乱流を発生させて、微細な泡を長く水中で撹拌させますので多くの汚れを付着させ、長い時間空気を溶け込ませることが出来ます。
しかし、後で書きますが、性能が良ければ良いというものでもないのがプロテインスキマーなんです。
ベンチュリー式のプリズムスキマーのメリットとデメリット
プリズムスキマーはベンチュリー式では最も安価なプロテインスキマーです。しかも外掛け式ですので、海道河童からプロテインスキマーをバージョンアップするにはうってつけですよね。
メリット
- 安くて高性能
- ベンチュリー式としては最もコンパクト
1.ベンチュリー式では最安です
ベンチュリー式は高いんですよ。5万円位するのが普通です。プリズムスキマーなら1万円ちょい位で手に入ります。
2. コンパクトサイズの外掛けのベンチュリー式は珍しい
その点プリズムスキマーは高さ35センチ、奥行きは6センチです。千日の小型水槽(30×30×40)に丁度いいサイズ感です。
デメリット
- 作動音がうるさい
- 小型水槽ではオーバースペックか?
1.音がうるさいことで有名
2.プロテインスキマーは別名『プランクトンスキマー』
さっき少し言いかけていたことですけど、プロテインスキマーは性能が良ければ良いというわけではありません。高性能のプロテインスキマーは多くの微細な汚れを濾しとるんですけど、海水の中の有効な成分も濾しとってしまいます。
- サンゴや魚の餌になるプランクトン
- サンゴの栄養になるカルシウム、マグネシウムその他の微量元素
ほどほどが良いんですよね。
ですから、小さな水槽でその能力を遥かに超えるプロテインスキマーを設置すると、かえって飼育水を良好な状態に維持しにくくなってしまう、という弊害があるんです。
水槽用のクーラーはオーバースペックぎみが良いんですけどね。プロテインスキマーはジャストサイズが良いということです。
高性能のプロテインスキマーで不純物を徹底的に除去して、減った微量元素を添加剤で補うという手法もありますけど、余分にお金もかかりますし、その適切な量やタイミングを会得するのは難しそうです。
千日の水槽ではどうか?
最近は、1週間位で水面に油膜が張るようになってきていて、週末近くになると、海藻が加速度的に伸びるという状態です。海藻は伸びるときは早いですよ。1日に2センチ位伸びてるんじゃないの?なんて思うほどです。
ちょっと油断したら、海藻だらけになりそうです。
あとはヨコエビが増えてますね。海藻が増えて隠れ家が増えたことと、イエローヘッドジョーフィッシュがビビって出てこなくなったことが関係しているのかなと思います。
ちょっとプランクトンを含めた生物の数が多すぎるのかも?と思います。もう少しプロテインスキマーの能力が上がってもよさそうだと思うんですよね。
しかし、能力が読めないのが問題です。
- 能力が高すぎてオーバースペックにならないか?
- 音がどの程度うるさいのか?(妻から苦情が来ないか?)
しばらくは、ちょっと海道河童の流量を増やして様子を見てみようと思います。
それにね、海道河童のパイプに良い感じに海藻が付いていて、カモフラージュしてくれているんですよね。
レイアウトでは、人工物を出来るだけ見せないようにするのが良いので、パイプに海藻が絡みついている今の状態は、鑑賞上、すごく満足感があるんですよ。
どうしよっかな・・・