千日太郎のアクアライフ

千日太郎が海水アクアリウムの始め方、海水魚とサンゴの上手な飼育法を初心者向けに分かりやすく解説します

海水アクアリウムの濾過の仕組み 嫌気性バクテリアの脱窒よりも海藻の窒素同化が安全

飼育水の汚れるペースが早い

どうも海水アクアリウム初心者の千日です。最近、また水が汚れるペースが上がり始めました。原因は…よく分からないです。何か変わった事をやった訳ではないんですけどね、そういうこともあります。
 
今日の海水アクアリウムの動画をアップしました。
部屋の照明を落として撮影してます。こうやって見ると水は透き通っていて、どこが汚れてんの?と思われるでしょうが(^_^)a
 
プロテインスキマー海道河童(大)のカップ
f:id:sennich:20160113005650j:image
プロテインスキマーの泡がカップに溢れていますね。プロテインスキマーとは微細な泡を発生させてお鍋のアクを取る要領で飼育水中の小さなゴミを濾し取る器具です。
 
日曜日に水換えしたばかりでこうなるのは、千日の水槽では異常なんです。また、ガラス面のコケが繁殖するスピードも上がっています。
 
眼に見えるほど濁ってしまったら、もうお終いなんです。そうなる前に手を打ちます。
 
海水は酸素が溶けにくく、水をキレイにしてくれるバクテリアの生きられる数が淡水よりも少ないそうです。
 
一度バランスを崩すと、坂道を転がるボールのように、初めはゆっくりとですが、確実にスピードを上げながら水質が悪化して行きます。
 
水換え頻度を2週間に一回から1週間に一回に増やすことにします。
 
寒い時期に水換えするのって億劫なんですよね(⌒-⌒; )しかし、背に腹はかえられません。千日はRO水をスーパーのライフまで汲みに行ってます。
水換えに勝る薬なしです。
 
 

海藻もだいぶ伸びて来ました

あ、そう言えば、約1カ月前に伸びすぎた海藻をトリミング(間引き)したのでした。ちょっと海藻を取りすぎたことを思い出しました。
 

2015年12月11日海藻のトリミング直前

f:id:sennich:20160113010708j:image
左下の海藻が繁茂しすぎて、レイアウトのライブロックを持ち上げ始めたので、手で引っこ抜くことにしました。
 

2015年12月11日トリミング直後

f:id:sennich:20160113010556j:image
海藻を取りすぎないようにしたつもりでしたが、ついつい取りすぎてしまいました。しかし、チョロっとは残ってます。
 

2016年1月12日現在

f:id:sennich:20160113010810j:image
約1ヶ月でだいぶ伸びて来ましたね。海藻ってあんまり抜かない方が良いんじゃないかと思ったりします。サンゴにとって有害な硝酸塩やリン酸を吸収してくれるからです。
 
 

嫌気性のバクテリアによる脱窒

硝酸塩とは好気性の濾過バクテリアによって分解しきれない老廃物の残りカスみたいなもので、魚にはほぼ無害なんですけど、増えすぎると有害です。ちなみにサンゴには増えすぎなくても有害なんです。
 
リン酸も似たようなものです。
 
硝酸塩やリン酸を分解してくれるバクテリアも居るには居るんですけど、その多くが嫌気性のバクテリアなんです。あ、嫌気性というのは読んで字の通り酸素を嫌うバクテリアです。
 
嫌気性のバクテリアは脱窒菌とも呼ばれます。硝酸塩を無害な窒素(気体)に変えてくれるんです。空気中の78%を占めると言われる窒素です。
 
微生物ってすごいですよね、フンや食べ残し等の老廃物を最後は気体に変えてしまうんですから。これを脱窒と言います。
 
底砂の中を側面のガラスから見ると底砂の中に気泡が発生していることがありますが、この気泡は嫌気性バクテリアによって分解された窒素です。
 
  • 好気性のバクテリアは老廃物=タンパク質→アンモニア→亜硝酸塩→硝酸塩まで分解する。
  • 嫌気性のバクテリアは硝酸塩を窒素に分解する。
 
千日はザックリとこのように理解してます。
だったら嫌気性のバクテリアを増やせば?

と、思うじゃないですか。そうは問屋は卸さないんですよね。嫌気性バクテリアの中には毒性の高い硫化水素に分解するヤツも居るんです。硫化水素は卵の腐ったような臭いのするイオウです。

 
閉じた水槽の中に硫化水素が大量発生すると、生体は全滅します。だから水槽内には出来るだけ嫌気域ができないように、底砂は浅めに敷き、水流がくまなく流れるように工夫してるんです。
 
バクテリアに硝酸塩やリン酸を分解させるのは、運の要素も絡みますし、リスクも高いんですよね。
 
 

海藻は硝酸塩やリン酸を吸収する=窒素同化

その点海藻は、邪魔になる程まで増殖しなければ、安全に硝酸塩やリン酸を吸収してくれるという訳です。この植物による硝酸塩の吸収を窒素同化と言います。
 
海藻も増えすぎて枯れると、硝酸塩やリン酸の素になりますが、増えた海藻を適度に間引くことで海藻ごと硝酸塩やリン酸を取り除くことが出来るはずです。
 
みだりに海藻を取りすぎてはいけないというのは、そういう理由からなんです。
 

以上、千日のブログでした。