サンゴへの正しい給餌方法
どうも初心者アクアリストの千日です。
初心者が初心者向けに書く海水アクアシリーズ、今日は動画もあります。LPSハードコーラルのカクオオトゲキクメイシがクリル(乾燥エビ)を食べる様子を撮影した動画を公開します。
LPSサンゴの飼育は餌やりも楽しみですね。
液体や粒状のサンゴフードももちろん食べますけど、クリル(乾燥させたエビ)も好物でよく食べます。
LPSとはラージ•ポリプ•ストーニーコーラルの略です。ポリプは口兼肛門です。日本語に直訳すると、大きな口の好日性サンゴです。
カクオオトゲキクメイシ オレンジに白のラインが美しいです
白く半透明の触手の中心がポリプです。これが一つ一つが大きいんですね。だから比較的大きなエサでもポリプの所に落としてやれば取り込んで食べてしまうんです。
LPSの飼育の魅力はエサやりです
サンゴは海洋の約1%しかないサンゴ礁にしか生息していない珍しい生き物です。さらにその中でLPSと言われるサンゴは比較的深い所に生息しているので、シュノーケリングではなかなか目にすることは出来ません。
そのサンゴがエサを食べる所を間近に観察出来るのは飼育者の特権です。
正しいエサやり
- 消灯時に触手を出しているタイミングを見計らう
- 水槽に設置している全ての機器の電源をOFFにする
- よく手を洗ってからクリル(エサ)を飼育水でふやかし、皮や頭などを取り除く
- そっとポリプに置くようにして与える(動画)
- 飲み込むまで約15分位は機器の電源は入れずに見守る
1.消灯時に触手を出しているタイミングがエサを食べるタイミングです
触手を出すカクオオトゲキクメイシ
LPSは体内に共生させている褐虫藻の光合成によっても栄養を得ています。固形のエサを食べるのは基本的に消灯時です。
触手を出している時はエサを食べようとしている時なのでそのタイミングでエサをやるようにします。
2.水槽に設置している全ての機器の電源をOFFにする
厳密には水流を起こす機器だけOFFにすればいいんです。しかし以下の理由から千日は原則として全ての機器の電源を切るようにしています。
- 部分的にOFFにすると何かの拍子に入れ忘れるという危険がある。中途半端に電源が入っていると水流の電源を入れ忘れたことに気付きにくくなる。
- 海水をこぼしてショート(トラッキング現象)させる危険がある。
3.よく手を洗ってからクリルを飼育水にふやかし、皮や頭などを取り除く
ハンドクリームや日焼け止めなどが付着した手で水槽に手を入れてはいけません。水槽のバランスを崩します。余談ですがショップなどでもお客が水槽に手を入れるのは良くないです。
クリルは乾燥エビですから、乾いたままでは沈みません。エビの皮や頭は消化に悪いので出来るだけ取り除きます。
自然の海でサンゴの上にまるまる一匹のエビが横たわるなんてことはありません。
4.そっとポリプに置くようにして与える(動画)
ポリプはデリケートですので押し込むようなことはせずフワッと置くようにして与えます。
手をあまり水槽に入れないようにするために、長めのピンセットがあると便利ですね。ピンセットはもちろん良く水洗いしてから使います。
動画では撮影のために小さなライトを点灯してますが、通常は消灯してます。全部のポリプにエサを与える必要はありません、3分の1位で十分です。
5.飲み込むまで15分位は電源を入れずに見守る
エサを飲み込む途中で水流が当たると驚いて吐き出してしまうことがあります。完全にエサを飲み込むまでは、電源を入れずに見守りましょう。
最後は電源の入れ忘れに注意して下さいね。
これが一番重要かもしれません。千日は一度冬にヒーターを入れ忘れ、気付いた時には水温が19度まで下がっていたことがありました。幸い気付くのが早く、全滅は免れましたが。