千日太郎のアクアライフ

千日太郎が海水アクアリウムの始め方、海水魚とサンゴの上手な飼育法を初心者向けに分かりやすく解説します

生体導入で失敗しない水あわせのコツ 飼育書には載っていない裏ワザ

生体導入の『水あわせ』について、飼育書に載っていない裏ワザをご紹介します

どうも千日です。昨日、ハードチューブを導入する際の水槽内の最適な位置どり(レイアウト)海水アクアリウム ハードチューブの飼育について ジョーフィッシュとの相性は良好です - 千日太郎のアクアライフについての記事を書きました。
 
水あわせについては重要なので別記事にして、飼育書には載っていないやり方小型水槽での注意点をご紹介します。
 
名付けて『千日流水合わせ』
 
しかし、千日以外にもこの方法でやっている人は居ると思います。イエローヘッドジョーフィッシュもこの方法で水合わせしました。
イエローヘッドジョーフィッシュ
 

はじめに(超重要)

この方法は、最終的にショップの水を我が家の水槽に入れることになります。以下の場合にはやってはいけません。病気や寄生虫、その他厄介者を招き入れることになります。
  • ショップの同じ水槽に病気の個体が居た
  • その水槽にシアノバクテリアや苔が蔓延している
  • 展示水槽で薬浴している
そもそも、こんな店の生体は購入してはいけません。水以前の問題でその生体は病気にかかっている(潜伏期である)可能性が高いです。
 
千日がブログで店名を出しているようなショップでは今まで問題が起こったことはありませんでした。
 
では、はじめますね。
 

①まず温度合わせです(比重の差もチェックします)

ハードチューブの水合わせ
ビニール袋に入ったまま家の水槽に浮かべて温度差をなくします。推奨時間は約30分です。ここまでは飼育書とほぼ同じです。
 
小型水槽だとそのままビニール袋を入れると水があふれてしまいますので水槽の水を適当な容器に移しておきます。後で必要になるかもしれないので捨ててはいけません
 
このときビニール袋の沈み具合でショップの水と家の水の比重差が分かります比重差が大きければそれだけ水あわせの作業に時間を掛けた方が良いということです。
 

②ビニールの中の水を減らします

ビニール袋を水槽に浮かべながら、水合わせをしますので、初めに入っていた量の半分から三分の一位まで減らします。
 
この時、ビニール袋の水を捨て、先ほど別容器に入れていた水槽の水を戻すのがベターだと思います。千日はビニールの水を水槽に入れてしまうこともありますが、そこは自己責任です。
 
飼育書ではここからは生体をバケツなどに移してエアレーションしながらエアチューブで点滴のように水を足していくとしています。
 
そして、最後は生体だけを掬って水槽にポチャンと入れるようにしています。

千日は上記の飼育書の方法には多くのデメリットがあると思っています。 

  1. せっかく水槽の光景に慣れてきた生体をバケツに移すのは、生体にとってストレスではないでしょうか
  2. 狭い空間にエアレーションの泡があるのはストレスではないでしょうか、また外気温の影響を大きく受けますね
  3. 点滴のように水を足すのは時間がかかり、再び水槽との温度差が生じてしまうのではないでしょうか。またこれによって水槽の水が減りますので小型水槽では水位が下がってしまいます
  4. 時間をかけて点滴で水を入れても、バケツの水水槽の水同じになりません。最後の最後に水質と環境を急変させてしまって良いのでしょうか、また狭い空間で追い詰められることのストレスもあります
 
これからご紹介する方法であれば、これらのデメリットは無くなります。
 

③ビニールの口をゆるめに折り返して浮き輪のようにし、水に浮かべます

そしてスポイトで水槽の水をビニール袋に入れていきます。
  • 始めはゆっくり少量ずつ、生体の様子を見ながら、生体から離れた場所からビニール袋を伝って水が入るように入れる
  • 始めのインターバルは5分位
  • 生体に暴れるなどの異変がなければ、徐々にインターバルを短かくしていく
 
この方法であれば、生体に急な環境の変化によるストレス最小限に抑えることが出来ます。
 
④中の水が増えて来たらハサミでビニールに穴を開けます

 中の水が増えて来たら、ソコソコ水が混ざった状態です。ハサミでビニールに穴を開けて放置しさらに馴染ませます(10分から20分)。

 これによって生体は急に違う水質と環境に放り込まれるということが無くなります。
 
ハサミは熱湯で殺菌しておいた方が良いでしょうね。穴を開ける時に生体を傷付けないよう、また驚かせないよう、そっとやります。
 

⑤ハサミで穴をさらに大きくして生体を外に逃がしてフィニッシュ

生体が自分から自然に出ていくのが理想ですが、なかなか出て行かない場合は穴をさらに大きくして袋を切り開いてしまいます。
 
ビニールだけを取り出してフィニッシュです。これによって、魚は追い回されるストレスや捕獲時につけられる傷も無く、スムーズに水槽の環境に入って行けます。
 

まとめ

飼育書の方法であれば、バケツ、点滴のためのチューブやそれを固定するクリップ、エアレーションが必要です。バケツなどは大きいので後で風呂場か屋外で洗わなければなりません。
 
また、生体を水槽からバケツ、バケツから水槽へ移すのに、潮水こぼれたり垂れたりしますね。
 
千日流では、ハサミとスポイトだけです。台所でサッと洗っておしまいです。
 
また、生体をビニールごと水槽に入れてから、ほぼ全てが水槽内で行えるので潮水がハネることはありません水位には注意が必要です。
 
その他の注意点
  1. この方法は導入前に薬浴をしないやり方です。運悪く既に寄生虫が居るリスクには対応していません。
  2. どんなに優れたショップでも水質が常に100点とは限りません。
最終的には自己責任ということでお願いしますm(_ _)m
 

以上、千日流水合わせでした

後書き
『我が家の海水水槽復活プロジェクトの定点観測シリーズです』っていつも書いてますけどもう復活してんじゃないの?という声が聞こえて来そうですね。千日もそう思います。
 
2014年1月2日の定点観測をはじめた頃
崩壊した海水水槽
 現在の水槽
崩壊から復活した海水水槽
サンゴの数はまだ少ないですけど、水質はかなり安定してきました。
 
コハナガタサンゴ(赤く丸い座布団みたいなサンゴ)が復活してないのが気になります。むしろ崩壊寸前の時の方が調子が良さそうですね(笑)
 
ということでもうしばらくは復活プロジェクトは継続です。 
 

以上、千日のブログでした。