アクアリウム初心者にお伝えしたい小型水槽の魅力
前回の水換えが2015年2月20日でしたから9日経ちましたので水換えしました。週一の水換えを自らに課してるので2日オーバー、まあヨシとしましょう。
完璧主義の人はアクアリウムは失敗しやすいんですよ、水槽にも完璧を求めてしまうので。生き物はそうそう自分の思い通りにはいかないものです。初心者ならなおさらです。
そういう千日も初心者です
例によって『ライフ』という名のスーパーマーケットへ無料のRO水を汲みに行き…。
今日は小型水槽のメリットとデメリットについて書きたいと思います。
ウサギ小屋と日本人が自嘲する日本の住宅事情にあっては、大きな水槽を設置するのに下記のような制約があります。
- 場所がない
- あっても家族の合意が得られない
ウサギ小屋というのは1979年にECが出した非公式の報告書の中で日本の住宅が『rabbit hutch』と紹介されたのに端を発しているらしいです。
この原文はフランス語で『ウサギ小屋』はフランスの集合住宅の俗称でもあり、日本人も自分たちと同じような住環境だという趣旨だったと言われていて、英訳する際の誤訳という説もあります。
いずれにせよ狭いことには変わりないのですが、小型のアクアリウムの最大のメリットはこの日本の住宅事情にマッチしていることです。
千日はさらに家族(妻)の合意という制約もありました。それは経済面(維持費)です。
小型水槽はいろんなものが安くつきます
- 器具の値段や生体の値段のイニシャルコスト
- 電気代や人口海水(水換えの労力)のランニングコスト
イニシャルコスト
リビングの海水アクアリウムは縦30cm横30cm高さ40cmです。このサイズのサンゴ水槽で水槽の台や生体や諸々入れて、控え目に見積もってだいたい総額15万円位です。魚だけの水槽で始めても5〜6万円は必要です。
2014年8月ごろ撮影
海水水槽をやってない人は高いと思われるんじゃないでしょうか。これでも安い方なんですよね。高くなる理由の一つはサンゴを飼育しているからです。
サンゴの飼育には(特に小型水槽では)水槽用のクーラーが必須で3万円位します。また、サンゴの光合成のための海中の太陽光を再現する専用のLED照明に約2万円。これで既に約三分の一です。
また熱帯の海の生き物は基本的に棲息地から採取して来るものが多いですが、そのコストが高いので淡水の5〜10倍が相場です。
- イエローヘッドジョーフィッシュ6〜8千円
- スカンクシュリンプ1千円〜
- LPSサンゴ4千円〜1万円
- ライブロック(岩)3〜4千円/kg
大きな水槽でサンゴが1〜2個ではあまりに寂しいですが、小さな水槽ならさほど寂しいという印象にはなりませんね(好みもありますが)。
現在の水槽
最小、最安でこれだけかかるんですから大きくなると器具のスペック、必要な数が増えることになります。
ちなみに千日はクーラーを買うにあたり合意が得られなかったので、ショップに中古のクーラーを8千円で譲ってもらいました。
魚だけの水槽でもできればクーラーはあった方が飼育出来る魚の幅が広がります。熱帯の海の水温は年間通して25度前後です。水温が30度を超えると丈夫な種類でも危険な状態になります。
水面に扇風機の風を当てて気化によって熱を下げる方法もありますが海水の比重(濃度)が上がるため、マメに比重を確認して、蒸発した水を足すなど、水槽から全く手が離せなくなります。
小型アクアリウムのランニングコスト
電気代などはLED照明の技術が進歩し、かなりランニングコストは下がりました。強いて言えば人口海水の素です。
千日の使っている人口海水の素(レッドシー コーラルプロソルト)は4千円で200リットルの海水を作れます。一回の水換えで約8リットルですから。1週間に1回水換えしても約半年もちます。
例えば横90cm縦45cm高さ45cmの水槽では一回の水換えは約50リットル。同じペースで水換えすると1ヶ月で底を尽きます。
アクアリウムの維持コストはお金だけではありません
千日はスーパーで手に入る無料のRO純水を水槽に使ってます。同じことを約50リットルで行おうとすると、車とスーパーを約7往復しなければなりません。そして家に着いてから50kgの水を家に持って上がり、人口海水の素を溶かし…(以下略)
今と同じレベルの維持をしようとすると、実に大変です。スーパーで無料のRO水をもらって海水水槽に使うのは小型水槽だから出来ることなんですね。
大型の水槽なら安定しやすいので、家の蛇口から出てくる水で十分かもしれません。
小型水槽のデメリット
とにかく総水量が少ないため、ちょっとしたことでバランスを崩し易いです。
- 水温が上がりやすい
- 水が汚れやすい
- 小さいので中に入れられる生体の自由度が狭い(特に混泳は難しい)
1.クーラーは必須
水温が上がりやすいので比較的丈夫な種を飼育する場合でもクーラーは必須と考えた方がいいです。
2.水換えを継続
水が汚れやすいので、マメな水換えが必要になる局面が出てきます。大型水槽よりは楽ですが、習慣化する必要があります。安定すれば2週間に1回位まで減らせます。
あるホームセンターの展示水槽
20cm程の水槽にイソギンチャクとカクレクマノミの幼魚を展示飼育しています。可愛いですね。しかしこれを維持するには、かなりのノウハウと手間が必要です。
その約3週間後
適切なメンテナンスを行わないと、こうなってしまいます。なーんてエラそうに言ってますが、かく言う私もまた…
2015年1月2日の崩壊寸前の千日の水槽
この状態になって、サンゴを殆ど処分しました。イエローヘッドジョーフィッシュ、スカンクシュリンプ、コハナガタサンゴが生き残りました。
小型水槽は一度調子を崩すと坂道を転がるボールのように、気が付いた時には全速力で追いかけないと追いつかないほどのスピードで崩壊していきます。
これが初心者には小型アクアリウムは向かないと言われる所以です。
3.狭いスペース
狭いため、混泳は極めて困難ですし、飼育出来る生体も大きくならない種に限られます。
しかし一方でそういった制約を克服する愉しみ(工夫)、ジョーフィッシュのように小さくても魅力ある生き物を近くで観察できる愉しみもあるので一概にデメリットとも言えませんね。