千日太郎のアクアライフ

千日太郎が海水アクアリウムの始め方、海水魚とサンゴの上手な飼育法を初心者向けに分かりやすく解説します

海水アクアリウム 小型水槽で飼育するコハナガタサンゴの照明と水流

コハナガタサンゴの飼育

コハナガタサンゴLPS(ラージポリプストーニーコーラル)に分類される硬い骨格を持ったハードコーラルです。比較的小型水槽で飼育しやすいサンゴです。

 
LPSラージポリプっていうのはアクアリウムの用語で、『餌を取り込む口が大きい』という意味です。通常、一つの個体に大きな一つの口を持ってます。
これに対してSPS(スモールポリプストーニーコーラル)は小さなポリプが無数にあります。
 

LPSの魅力はその大きなポリプの昼と夜の二つの顔です

下の二つの写真は、どちらも我が家の海水水槽のコハナガタサンゴの同じ個体を同じ距離から撮影したものです。
 

昼のコハナガタサンゴ(照明点灯時)

証明点灯時のコハナガタサンゴは大きく膨らんでいる
真ん中に口があります。昼間は身体を大きく膨らませます。
 
サンゴはその身体の中に褐虫藻(かっちゅうそう)という植物性プランクトンを飼っており、その褐虫藻が光合成によって作る栄養を貰っているんです。
 
大きく膨らむのは褐虫藻に太陽光の当たる面積を大きくするためなのでしょう。
 

夜のコハナガタサンゴ(消灯して約2時間後)

消灯時のコハナガタサンゴは小さくなり触手を出す
真ん中の口が開き、白い半透明な触手を伸ばします。身体は昼間の3分の1から4分の1くらいに縮みます。
 
夜は光合成しないので、ほぼサンゴの本来の大きさに戻る一方で、口の周辺から触手を伸ばし、水中のプランクトンを捕食しているのです。
プランクトンだけでなく、クリル(乾燥エビ)を口の所に持って行くと触手で口の中に取り込んで食べてしまいます。
 
昼間の姿もプックリして艶やかですが、夜は全くその様相が変えて妖しい姿を現します
美しいだけでなく、このようなユニークな海の生き物の生態間近に観察出来るのもマリンアクアリウムの魅力の一つです。
 

初心者でも失敗しないコハナガタサンゴの選び方(生体は専門店で)

我が家の海水水槽のコハナガタサンゴは大阪市天王寺区のやどかり屋さんで購入しました。
 
ヤドカリ屋さんオリジナル製品のアクリルミニオーバーフロー水槽【変えれま水位】
アクリルミニオーバーフロー水槽、変えれま水位
ダジャレですね(笑)。展示水槽にはサンゴ飼育最高難度ミドリイシです!このような小型水槽でミドリイシが飼育が可能なのは、その豊富な知識と経験に加え業務として水槽を管理しているためですので私のような初心者はマネしてはいけません。
 
我が家の海水水槽は去年の暮れあたりから急激に調子を崩し、一時は崩壊寸前となり、殆どのサンゴを処分せざるをえなかったのですが、その中で唯一生存を果たしたのがやどかり屋さんの【変えれま水位】から購入したコハナガタサンゴでした。
店を選んだ時点で生体の良し悪しが決まると言っても過言ではありません。ヤドカリ屋さんは『遠回りしても足を運ぶ価値』のあるお店です。
 

コハナガタサンゴのレイアウト例

2014年8月頃の我が家の海水水槽
コハナガタサンゴをレイアウトしたサンゴ水槽
このレイアウトは単に見た目のバランスのみで配置したものではありません。基本的な水流の考え方についてはこちらの記事をご覧ください。
 
コハナガタサンゴに限りませんが、サンゴにとって動かされることはストレスとなりますので、購入前に予め何処に置くか決めておくことが大事です。
 

照明の強さー強い光はNG

強い光は好みません。照明の光源の真下や上の方は避けましょう。とはいえ好日性のサンゴです。影に置くと十分に開きません。
 
照明の光源が中央にある場合、水槽の外寄りの下層にレイアウトすれば点灯中の艶やかな姿を鑑賞することが出来るでしょう。
 

水流の強さー前面のガラス面の近くはNG

強い流れは好みません。また弱くても一方だけからの流れは好みません。前面のガラス面の近くは、水流が当たって上から下に一方通行で流れている場所です。
 
また、コハナガタサンゴは点灯時に3〜4倍に膨らみます。ガラス面に共肉が当たると、小学生の頃に窓ガラスで変顔を作った事を思い出すような光景となります。
 
  • ガラス面から少し離す
  • 水流の矢印方向から逸れた場所に置く
 

毒性ー他のサンゴとの距離感

毒性は強い方ですが、触手を伸ばすことはありませんので膨らんだ時に接触しなければ大丈夫です。
 
また、同種間では毒が効きませんので、同種では接近してレイアウト出来ます。
 

給餌は必須ではない

二枚目写真、消灯後夜のコハナガタサンゴのように触手を伸ばした状態で口の所に餌(クリルなど)を置いてやれば食べます。
 
食べた後は一回り大きくなります
 
基本的には光合成によって栄養を得ていますので給餌は必須ではありません。思うに、大きな海で移動しないサンゴの口元に都合良くエサが来る事なんて、宝クジに当たる位の幸運ではないでしょうか。
 
 

現在のレイアウト

コハナガタサンゴをレイアウトした海水水槽にジョーフィッシュが泳ぐ
一昨日に導入したコエダナガレハナサンゴ(別名タコアシサンゴ)によって大半影になってしまいました。すぐに調子を崩すことはないですが、よろしくありませんね。
 
また、コエダナガレハナサンゴ(別名タコアシサンゴ)のスイーパー触手による攻撃が心配です。近すぎますね。
 

全体像(現在)

コハナガタサンゴとコエダナガレハナサンゴの全景
2014年8月の大きさと較べて明らかに小さくなってます。
今はライブロックの山の向かって右側にありますが左側に移動させようと思います。
 

以上、千日のブログでした。