千日太郎のアクアライフ

千日太郎が海水アクアリウムの始め方、海水魚とサンゴの上手な飼育法を初心者向けに分かりやすく解説します

海水アクアリウム 小型水槽でナガレハナを飼育する乱流と水流のバリア 動画

ナガレハナサンゴを飼育するためのベストな水流の作り方

どうも千日です。ナガレハナサンゴは導入で失敗せず、水槽の環境に慣れてくれれば長期飼育の可能な丈夫なサンゴです。

今日は、海水アクアリウム初心者でも失敗しないリビングの小型水槽でナガレハナサンゴを飼育する水流の作り方を解説します。

前回記事

大阪市中央区ブルーハーバーさんの販売水槽のナガレハナサンゴとカクレクマノミ
ナガレハナサンゴとカクレクマノミ
美しいですね〜カクレクマノミ(ニモ)もカワイイです。小型水槽でもなんとかしてこのサンゴをレイアウトしたいものですが、ナガレハナサンゴに代表されるチョウジガイ系サンゴの飼育上の注意ポイントは…
  1. 微妙で複雑な水流を要求すること(多方向から強過ぎず、弱過ぎず、触手がゆっくり動く程度)
  2. そのスイーパー触手による攻撃性(最強クラスの毒性)
どちらも小型水槽では難しそうです。

しかし、けして不可能ではありません

これに必要なコストは100円以下です。この回から読まれた方は前回のブログをご一読下さい。1分で読めます。
 

1.複雑な水流『乱流』を作り出す海道河童(改)

前回のブログでご紹介したプロテインスキマー海道河童(大)の排出部分へ取り付けた0.5mmプラ板です。
プロテインスキマー海道河童の水流を改良するプラスチック板
これによって、プロテインスキマー海道河童(大)はプロテインスキマー海道河童(改)に生まれかわります。
水面から5cm位の水深の広い範囲に『乱流』を作り出すんです。
緑の実線矢印が主な水流の方向、ボカシの緑の線がこれによって生じる乱流です。(ピンクで囲っているのは外部フィルターからの排水口(正面)です)
小型水槽でナガレハナサンゴを飼育するための乱流について
乱流の定義については、千日は専門家ではありませんので間違ってたら指摘して下さい。
よく、増水した河川で小さな滝のようになっている場所に上流からの漂流物が流れずに留まっているのを目にします。その原理です。
水流が弱過ぎると乱流が発生しませんし、強過ぎるとサンゴに良くありません。プロテインスキマーのポンプのツマミとプラ板の角度で微調整を行います
水中ポンプを購入すること無く、微妙で複雑な水流を作り出すことが出来るんです。
サンゴをこの乱流が生じる場所(通常はライブロックの山の一番高い所)にレイアウトします。鑑賞上も満足のいく場所だと思います。

チョウジガイ系のサンゴは好日性ですがあまりに強い光は好みません。この場所は光量が最も多い場所ですので、

①照明を離すか、角度を逸らす

②部分的にフタを厚くする

③水面を揺らして光を乱反射させ、同じ所に強い光が集中しないようにする

等のケアを行います。私はその為にプラ板を曲げる際は真横ではなく、斜めに曲げて、水面を波打たせる部分と乱流を作る部分に分けています。

 

2.スイーパー触手を阻む水流のバリア

スイーパー触手を伸ばすチョウジガイ系サンゴバブルコーラル
スイーパー触手を伸ばすバブルコーラル
チョウジガイ系のサンゴは調子がいいとスイーパー触手という触手を伸ばして近くのサンゴを攻撃し食べてしまいます。
このスイーパー触手、10cm以上伸びることもあるので、小型水槽では全てのサンゴが射程圏内に入ります。
そして、チョウジガイ系サンゴの多くはサンゴの中でも最強クラスの毒性を持っており、他のサンゴにまず勝ち目はありません。美しい花には棘があるんです。
 

実は1.の場所にレイアウトした時点で解決してます

理由を説明します。
①乱流の向こうには強い流れ(バリア)
スイーパー触手は写真のように柔らかいコンニャクのようなものです。強い流れに逆らうことが出来ません。長く伸びる前に縮んでしまいます。
②一番上にレイアウトしている(特等席)
乱流はプロテインスキマーから排出される酸素を多く含んだ良質な水であり、また一番上ですから照明を遮るものは何もないのです。攻撃する対象が無いんです。
 

再びかつての我が家の海水水槽のレイアウト

LPSサンゴのレイアウト
向って左上がカンムリハナサンゴ、右上がトランペットコーラル。いずれもチョウジガイ系のサンゴです。接触しそうなほど隣りあってます。
サンゴはその毒で攻撃しあうため、接触してレイアウトするのは御法度ですが、同種間では毒が効きません。
 

これは人間が登場するずっと前から決まっている生き物の掟なんです。

 
後記
その後タコアシサンゴを導入し、水流を調節しました。どの位のポリプの揺れ方が最適か動画による比較でご紹介してます。
サンゴ飼育初心者には動画の方がわかりやすいと思います。
 

以上、千日のブログでした。